不動産投資を始める方必見!賃貸経営にまつわる業務を詳しく解説

不動産投資を始める方必見!賃貸経営にまつわる業務を詳しく解説

本業の傍らで不動産投資を行う方が増えてきた昨今、「賃貸経営=不労所得」と考える方も多い。確かに、自分で所有する物件を人に貸し出し、賃料を得られれば不労所得を得られる。

しかし、実際の賃貸経営の業務は、非常に多いことをご存知だろうか?

もし本当に賃貸経営=不労所得と考えているのであれば、賃貸経営を開始しても、キャパオーバーでパンクしてしまうことだろう。

もちろん自分で負担できない業務については、委託しても良いが、管理費用がかかってきてしまう。

まずは、これから不動産投資を始めようと考えている方に、賃貸経営に関わる業務一覧を網羅的に紹介する。

 

不動産経営に関わる業務とは

不動産投資に関わる主な業務は、管理業務と空室対策業務の2つだ。

ただ、不動産管理業務と言っても、具体的な業務内容は多岐にわたる。

そのため、ほとんどの不動産オーナーは、管理会社へ不動産管理を委託している。

中には、オーナー自身で管理業務を行う方もいるが、副業として賃貸経営を行うのであれば、おすすめはできない。

まずは、管理業務や空室対策業務の具体的な内容について見ていこう。

 

管理業務

賃貸経営の管理業務は、不動産投資を成功させられるかどうかの大きな鍵となっている。

管理業務を上手にこなせれば賃貸経営もうまくいき、管理業務がうまくいかなければ賃貸経営は赤字になってしまう。

まず、不動産購入時から入居者の退去時までにかかる管理業務を見ていこう。

【不動産購入時】

賃貸経営を始める前にはまず、不動産を購入しなければいけない。

物件探しから始まり、価格交渉やローンの申し込みなど、行わなければいけない業務は非常に多い。

【物件整備・入居者の募集】

購入した物件に設備を追加したり、状況によっては清掃をしたりなど、入居者が集まりやすい環境にしなければいけない。

物件の整備が終了したら次は、入居者の募集だ。

中古物件であれば、入居者がいるかもしれないが、空室がある場合や新築であれば市場調査が大切だ。

市場調査によって、購入した物件の周辺地域動向を把握しよう。

具体的には、家賃相場はいくらほどなのか、ファミリー層が多いのか、単身者が多いのか、学生が多いのか社会人が多いのか。

動向を把握することで、入居者の募集方法が変わってくるはずだ。

そして、入居希望者からの問い合わせがあれば、入居審査や賃貸契約、保証会社との契約などの事務的手続きが増える。

【賃貸経営開始後】

賃貸経営開始後の管理業務は、

・各種契約書類の保管管理

・入金管理

・キャッシュフロー管理

・入居者管理

・物件清掃管理

・設備保守点検

・トラブル対応

など非常に多い。

中でも、家賃の滞納に対する督促業務に関しては、非常に面倒な手続きが多い。

一度入居させてしまうと、余程のことがない限り強制退去はさせられない。

結果として、オーナーが泣き寝入りをしたり、多くの労力をかけて法的手続きをしたりなど、無駄な業務が増えてしまう。

家賃滞納リスクやその他のトラブルについては、“運”としか言いようがない。

入居当時の属性は完璧でも、入居途中で退職してしまい、無職になってしまう方もいるかもしれない。

未来のことまで予測できる人はいないので、トラブルは必ず起きるものだと考え、賃貸経営を行うと良いだろう。

【退去時】

退去時の業務は、

・室内確認

・敷金の返金手続き

・修繕、クリーニング業者の手配

・退去時のトラブル対応

だ。

退去時業務の中でも、一番注目してほしいのが、退去時のトラブル対応だ。

「退去時にトラブル発生?」と思われる方も多いようだが、退去時のトラブルはとても多い。

例えば、お部屋の修繕費用が敷金のみでは足りなかった場合、当然に入居者に修繕費用を請求する。(入居者は貸主に対して、原状回復義務という法的義務を負うため、原状回復に要した費用を支払わなければいけない。)

ところが、費用が高額になればなるほど、支払わない方が多く、トラブルの原因となってしまう。

ポイント1

 

空室対策

賃貸経営を行う上で、空室対策も非常に大切だ。

そもそも、賃貸経営を行う上での一番のリスクは“空室リスク”であることは言うまでもない。

不動産は、所有しているだけで多額のランニングコストが発生する。

一方で、入居者がいなければ、入ってくるお金が一切ないため、赤字経営が続いてしまう。

かろうじて他の収入や貯蓄があれば、しばらくは生活ができるかもしれない。

しかし、空室が長く続けば続くほど、状況が悪化していくことだろう。

では、いかにして空室を減らすかということに焦点を当て、戦略を練っていかなければいけない。

入居者ニーズをしっかりと把握し、積極的に設備投資を行っていったほうが良い。

ちなみに全国賃貸住宅新聞社によれば、2019年もっとも人気の設備は、無料インターネットだった。

スマートフォン普及率が90%を超えている現代、いわゆる“ギガ数”を気にすることなく使用できる無料インターネットは人気のようだ。

その他、ファミリー向けなのか、単身者向けなのかによっても入居者が求める設備は異なる。

常に社会に目を向け、どこよりも早く入居者ニーズに応えられれば、他の物件と差別化を図れることだろう。

 

不動産オーナーの主な業務

不動産オーナーの主な業務内容は、管理業務と空室対策管理業務の2つだ。

しかし実際の業務については、「不動産オーナー自身がどこまで管理会社に委託をするのか。」によっても変わる。

管理業務のすべてを委託するのか。はたまた、管理業務に一部のみを委託するのか。

もしくは、すべての管理業務を自分で行うのか。

会社員などの本業がある傍らで賃貸経営を行うのであれば、管理業務のすべてを委託したほうが良い。

一方で、賃貸経営のみで生活をされている方であれば、自分で管理をしてみたり、一部のみを委託してみたりしても良いだろう。

では、それぞれの業務負担について詳しく見ていこう。

 

各種専門家や管理会社と契約しているオーナーの場合

賃貸経営管理すべてを委託する場合には、不動産管理会社と契約をする。

しかし、管理会社と契約を締結したからと言って、オーナー自身の業務が一切なくなるわけではない。

毎月の帳簿付けや確定申告書類の作成もあるし、税務相談をしたいときもある。

最近では、ネットで簡単に帳簿付けや確定申告書類を作成できるようになったが、税理士に依頼をしたほうが、オーナー自身の業務は減る。

ただ、どの程度自分の業務負担を減らしたいかによって、税理士への依頼範囲が異なる。

一般的な帳簿付け等を自分で行うのであれば、決算期のみに依頼をすれば良い。

帳簿付けからすべてを委託したいのであれば、年間単位で税理士と顧問契約を締結しよう。

また、物件購入時は登記設定など煩わしい業務が多いが、司法書士などの専門家へ依頼すれば業務負担が減る。

賃貸経営で法人成りする際にも、司法書士や行政書士などの専門家へ依頼すれば、業務負担をかなり軽減できる。

もしも、不動産購入時から専門家や管理会社へ委託をしていれば、不動産オーナー自身の業務はほぼないと考えて良い。

ほぼないとは言っても実際には、入居者の審査や設備投資の検討や決定など少なからずある。

ただ、入居者トラブルや家賃入金管理等は管理会社で行ってくれるので安心だ。

 

一部のみ契約をしているオーナーの場合

物件の管理から税務的な部分まですべて委託しないまでも、業務の一部のみを委託するパターンだ。

物件管理のみを委託している不動産オーナーであれば、業務負担はキャッシュフロー管理程度だ。時期によっては、確定申告の準備で、多忙な業務になってしまう可能性もある。

一方で、物件管理は自分で行うが、専門的な部分は専門家に依頼をする場合。

管理会社へ委託する費用は軽減されるが、業務内容は多忙を極める。

保有する物件戸数にもよるが、会社員として働く傍らで賃貸経営を行うのであれば、難しいと考えて良い。

また当然に、管理会社や税理士などの専門家へ依頼をすれば、費用や報酬を支払わなければいけない。

すべてを任すことで、業務負担はかなり軽減されるが、費用負担は相当な金額になってしまう。

賃貸経営が軌道に乗り、安定した収入を得られるようになるまでは、ある程度の業務を自分で行ったほうが良い。

もちろん副業として賃貸経営を行っている方などは時間があまり取れないだろう。

しかし、許される時間の限り自分で業務を担えば、税務や管理に関する知識が身につく。

最初は難しいことばかりだが、徐々にできることを増やしていけば良い。

 

すべてを自分で行うオーナーの場合

物件購入時から入居者退去まですべてを一括して自分で行う場合には、本記事冒頭で紹介した業務すべてを担う。

物件戸数が増えれば増えるほど負担は増える一方なので、あまりおすすめはできない。

しかし、物件戸数が少なく、いずれはセミリタイアもしくはリタイアを検討している方にはおすすめだ。

本業をリタイアもしくはセミリタイアすれば、残りは賃貸経営に関わる管理業務のみだ。

将来に向かって利益を最大限、得たいのであれば、今のうちから勉強を兼ねてすべての業務を自分で担っても良い。

 

管理会社に業務委託をしたほうが負担は少ない

賃貸経営に関わる業務は多岐にわたり、すべてを委託しようとすれば支払う費用や報酬も高額になる。

ただ、最低限として管理会社に物件管理業務を委託しておけば、かなり賃貸経営に関わる業務負担が軽減される。

不動産管理業務は、入居者の管理や物件の管理、家賃の入金管理やトラブル対処など非常に多いことは紹介した。

中でも家賃の滞納対処やトラブル対処は、一般の方では難しく、精神的にもひどく疲弊してしまう事案だ。

本業の傍らで行うには、負担が多すぎるため、管理会社へ委託しておいたほうが、安心だ。

 

管理会社選びの3つのポイント

物件の管理は管理会社へ委託しておいたほうが良いと言ったが、街中にはたくさんの管理会社が存在している。

そもそも、不動産業者の違いについて把握できていない方もいるかもしれない。

不動産業者は大きくわけて4種類あることをご存知だろうか。

それぞれの業務が異なるため、まずは違いについて簡単に紹介する。

不動産業者は、

・不動産管理会社

・不動産仲介会社

・不動産販売代理会社

・不動産開発会社

の4種類だ。

不動産管理会社は、不動産の管理業務を担う不動産業者だ。

不動産仲介会社は、入居者の募集や媒介、内見の立ち会いや契約内容の説明業務を担う。

不動産販売代理会社は、不動産の売買を媒介する不動産業者だ。

不動産開発会社とは、デベロッパーとも呼ばれ、不動産開発業務を担っている。

不動産の管理業務を担う、不動産管理会社を選ぶ時の3つのポイントは下記である。

ポイント2

詳しく紹介する。

 

管理実績

まずは、管理会社の“実績”に注目をしてみてほしい。

管理会社の収入源は、不動産オーナーから預かっている物件を管理することで得られる。

もちろん、空室物件であれば管理会社へお金が入らない仕組みになっているので、基本的には真面目に管理を行う。

空室が続けば、自分たちの収入源がなくなってしまうためだ。

ところが、管理会社の中には、管理が疎かになってしまっている場合もある。

管理が疎かになれば、入居者の不満が募り退去、結果として空室という最悪のパターンになりかねない。

空室が続けば、オーナー自身の収入も途絶えてしまうため、死活問題と言えるだろう。

実績がある管理会社であれば、ある程度信用ができる。

 

地元に強い

不動産はとくに、地域特性の影響を受けやすい。

各地域に住む世帯層であったり、地域に住む人の動向であったり、要望を把握している管理会社は大変心強い。

地元に根を張り、長い間管理業務を行っている管理会社であれば、ある程度信頼できると判断できるだろう。

ただもちろん、新しい管理会社=信用できないというわけではない。

結局、地元に強い老舗の管理会社であっても、担当者によっては、管理が疎かになる可能性もある。

ただ、地元に強く、古くから管理を行っている管理会社は、他のオーナーからの信頼も厚いからこそ、生き残っていると考えられる。

 

複数社を比較検討

管理会社を選ぶ際には必ず1社で決めきらず、複数社を比較検討してほしい。

大前提として、管理会社を探す際には、物件からできるだけ近いことが大切だ。

遠ければ遠いほど、自分が所有する物件に、足を運んでくれる回数が減ってしまう可能性があるためだ。

ただし、近くに1社.2社しか管理会社がなければ、少し離れている管理会社もピックアップしよう。

複数社ピックアップした上で、実際に訪ねてヒアリングしてみても良い。

担当者と面識を持ち、雰囲気を感じることも、自分に合った管理会社を選ぶためには必要だ。

また、複数の管理会社を比較検討する際に、インターネット集客を行っているかどうかをチェックしてみてほしい。

まだまだ紙媒体でしか募集をしていない管理会社もある。

現在はネット社会であるため、時代のニーズに合っていないと判断して良い。

積極的に新しいことに取り組もうとする姿勢をも判断材料のひとつとして良いだろう。

 

まとめ

今回は、賃貸経営に関わる業務一覧を紹介した。

賃貸経営=不労所得というイメージを持たれている方は多いが、実際には多くの業務を行わなければいけない。

もしも業務の一部でも怠ってしまえば、空室につながってしまう可能性すらある。

賃貸経営での空室は最大のリスクだ。

常に模索し続けて、入居者のニーズを察知し、入居者のニーズに応える努力を続けなければいけない。

入居者を満足させることこそが、賃貸経営で成功する鍵だ。

改めて、今回紹介した内容についておさらいしておこう。

  1. 賃貸経営に関わる主な業務は、管理業務と空室対策の2つ。
  2. 不動産オーナーが担う業務は、委託範囲によって大きく変わる。

楽をしたければ、すべて委託もできるが、費用や報酬が高額になるので注意が必要だ。

  1. 不動産管理は管理会社へ委託したほうが良い。
  2. 管理会社を選ぶ際には、

・管理実績

・地元に強いかどうか

・複数社を比較検討

の3つのポイントを意識しよう。

不動産オーナーは意外と多忙だ。

不動産投資を甘く見ることなく、自分のキャパシティの範囲内で的確に判断し、賃貸経営を行うように心がけよう。

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最終更新日 : 2020年4月20日
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