働かなくてもお金が入るなんて夢のようだが、不労所得を得たいと思う人は沢山いる。不労所得の代表と言えば不動産投資で賃貸オーナーになることだ。
不動産投資で賃貸オーナーになることは決して難しいことではない。
しかし、肝心なのは、しっかり利益を出すことができるかどうかだ。
そこで今回は、下記の賃貸オーナーの心得を7つ紹介する。
不動産投資が成功するカギとなれば幸いだ。
目次
心得1:成功する賃貸オーナーの共通点を学ぶ
不動産に投資して賃貸オーナーとなり、成功している人たちは一握りの傑出した人物ばかりではなく、一般的な人のほうが多いようだ。そして、特徴的な共通点がいくつかある。
投資に対しての考え方や行動を例に取ると、リスクに対して慎重に熟考したり、アドバイスに対して素直に耳を傾けたりする。
ここでは、成功している方達の共通点を4つ取り上げて解説する。不動産投資成功への入口になるので、是非参考にしてほしい。
不動産投資の自己資金が潤沢
「貧すれば鈍する」という言葉がある。賃貸オーナーになっても融資の返済ばかりが気になっていれば、良いアイデアが浮かんだり、やるべき行動が鈍くなったりするだろう。
不動産投資の成功者の多くは、自己資金が潤沢だ。金融資産や不動産資産などを含めた資産の1/3程度で、多少減っても許容できる資産を余裕資産という。この余裕資産内で投資している方が多い。
リスクが比較的に低いと言われる不動産投資であっても、余裕資産を超えるような投資はおすすめできない。
投資物件や管理会社を選ぶ目を養う
投資物件や管理会社は、賃貸オーナーの成否を左右するといっても過言ではない。よってこの2つを選ぶ際には、入念に調べて慎重に判断している賃貸オーナーが多い。
事業計画には、管理会社の選定も必要となってくるだろう。もちろん、自ら管理することも可能だが物件数が増えてくれば手が回らなくなる恐れがある。
パートナーとなる管理会社と綿密な連携を最初からとるようにすれば、管理業務を全て任せることが可能となり、次の物件を探す時間や、次期の事業計画を練るなどの余裕が生まれてくるだろう。
投資物件・管理会社を放置しない
賃貸オーナーとして成功している方は、不動産会社や管理会社など多くの関係者とコミュニケーションを図り、常に綿密な打ち合わせをしている。
時間を惜しんで、物件を業者に丸投げし、放置しているようでは成功への道は険しくなるだろう。自分が経営している物件の状態を把握できていないようでは賃貸オーナーとは言えない。
もちろん、自らが足を運ぶことは物理的に不可能かもしれない。そのために関係する業者がいるのだ。その関係者や担当者とコミュニケーションが取れていなければ、正確な情報が賃貸オーナーに伝わらない可能性がある。
不動産投資の情報収集に注力する
成功している賃貸オーナーは、物件の周辺環境に関する情報は常に収集して分析している。例えば、新しく道路ができるとか、大きな商業施設ができるなどがあれば、人の流れや物の流れが一気に変わる可能性がある。
このような情報を得れば、地価が高騰する前に物件を確保したり、現状の物件の家賃を上げたりする準備ができるのではないだろうか。
情報を集めて分析し、計画を立てて投資し成功する。このような好循環を作り上げることができれば、賃貸オーナーの成功者へと道は開かれるだろう。
心得2:賃貸オーナーのメリットを知る
何事でも同じだが、物事を始めてうまくいかなくなると初心を忘れてしまいがちになる。
賃貸オーナーも同様で、思ったように家賃収入を得ることができなかったり、借主とのトラブルがあったりすると賃貸オーナー業が嫌になることがあるかもしれない。初心を忘れないことも成功する賃貸オーナーの心得だ。
初心を忘れないためには、賃貸オーナーのメリットをしっかりと覚えておくことが重要となる。メリットを深く理解しておけば、忘れた初心もすぐに思い出すことができて、賃貸オーナーとして成功への道に戻ることができるだろう。
ここでは、賃貸オーナーのメリットの中でも重要なものを4つ上げて説明する。
安定した収入を確保できる
賃貸オーナーのメリットの中で最も重要なものは家賃収入だ。家賃収入の特徴は、安定して長期的に入ってくることと、働かずに所得を期待できる不労所得であることだろう。
不労所得であれば、働けなくなった老後であっても安定した所得を得ることができる。現在の成功が、老後の不安を減らすことに繋がるのだ。
節税対策にも役立つ
土地を賃貸住宅にすることで、固定資産税や都市計画税の節税が可能だ。
また、税率の高い相続税や贈与税の節税対策にもなる。一時的だが、所得税や住民税についても節税することが可能なのだ。多種多様な節税対策ができるのも、不動産投資の主要なメリットとなる。
また、不動産所得が赤字の場合は、損益通算により他の所得から赤字を差し引くことができる。つまり、給与所得があってすでに税金を納めている場合、不動産所得が赤字ならば、所得税の還付を受けることが可能だ。
所得税が節税できると自動的に住民税も節税できることになる。
生命保険の代用にもなる
不動産は自分に万が一のことがあった場合、資産として家族に残すことができるものだ。また、不動産投資融資の契約時に団体信用生命保険に加入しておけば、融資残高は保険会社が支払うことになり、家族に融資の返済が残らないという大きなメリットもある。
そして、家賃収入が家族に引き継がれることになるので、生命保険の代用にもなるのだ。
物価連動によりインフレ時にも心強い
投資には、株式や外貨などの金融系から先物取引など幅広く商品がある。その多くは、インフレなどの経済変動やリーマンショックなどの金融危機によって大きく左右されるものだ。
賃貸オーナーは、家賃収入を得ることが生業だ。家賃収入は、物価と連動しているのでインフレに強いというメリットがある。
また、不動産は現物資産だから、ゼロになることがないのも大きなメリットといえるだろう。
心得3:不動産投資の失敗例を対岸の火事としない
不動産投資は大きなお金が動くので、誰もが失敗を恐れる。成功を収める人がいれば失敗する人もいるのが世の常だ。
だが成功例を学ぶように失敗例を学んでおくことは賃貸オーナーとして大切な心得となる。ここでは4つの失敗例をあげて解説していくので回避策を学んでいこう。
利回りが想定以上に低くなる場合
利回りが計画以下になり、融資の返済ができず失敗してしまうことがある。この要因は、満室前提での利回りの計算や、家賃相場が計画段階から高いこと等だ。
また、中古賃貸物件を探していると、高利回りを強調するような物件が目に止まる。それを鵜呑みにして物件を購入してしまったら、失敗する可能性は大きく上がるだろう。
賃貸オーナーは、計画段階で空き家率を30%程度と想定しておくべきだ。また、家賃は、市場にあった相場で設定しなければニーズとマッチしない。融資の返済額を基準に家賃を設定しては借り手がつきにくくなるだろう。
中古物件については、なぜ高利回りなのかを必ず不動産会社に確認しよう。満室前提での利回りをアピールしている不動産会社もあるので注意が必要だ。
サブリース契約の落とし穴にはまる
サブリース契約は、不動産会社が賃貸オーナーから賃貸住宅を一括借り上げする契約だ。賃貸オーナーは一定の賃料を家賃保証として受け取ることができる。賃貸オーナーにとっては、至れり尽くせりのような契約だが、落とし穴もあるので注意しよう。
サブリース契約の落とし穴とは、保証額の改定だ。サブリース契約の多くは、2年ごとに保証額が改訂されるようになっている。保証額の改定時に、入居者の減少や経年劣化に伴って減額される仕組みだ。結果的に賃貸オーナーが希望する収入からかけ離れた保障額になる可能性がある。
サブリース契約の場合は、賃貸オーナーとしての事業計画と照らし合わせると良いだろう。不動産会社との交渉で、詳細に至るまで合意できないようであれば、安易な契約は控える方が賢明だ。
物件の周辺環境変化
物件の周辺環境の変化によって、賃貸経営が悪化する可能性がある。大手自動車メーカーの工場が閉鎖されたり、世界有数の家電メーカーが工場を海外へ移転したりするニュースは聞き覚えがあるだろう。急速な人口減少が起こると賃貸経営にも多大な影響がある。
周辺環境の変化は防ぎようのない事故のようなものだ。しかし、事前に情報を掴み、物件を売却するなどの対策を講じれば、傷口を最小限に抑えることができるだろう。
住民の家賃滞納トラブルが発生した場合
賃貸オーナーとして最も頭の痛いトラブルが借主の家賃滞納だ。融資の返済が困難になる理由にもなる。
また、トラブルが長引けばメンタルにダメージを受けることもあるだろう。
家賃滞納トラブルは、できるだけ早く対処しなければ滞納が膨れ上がり結果的に借主が払えなくなる恐れがある。悪質なケースは法的手段で対応する覚悟も必要だ。
心得4:不動産投資の基礎知識を忘れない
不動産投資の基礎知識は投資家の基本だ。基本に忠実なことも賃貸オーナーの心得の1つではないだろうか。
基本を忘れては取り返しのつかないミスを犯すかもしれない。その基本を忘れないためにも、ここで基礎知識のおさらいしておこう。
不動産投資して賃貸オーナーなる仕組み
賃貸オーナーになる仕組みとは、不動産を賃貸しして家賃収入を得ることだ。特別な資格も必要ないので誰でも賃貸オーナーになることはできる。
賃貸対象の不動産は、マンションやアパート・土地などだ。
しかし、ニーズがなければ不動産を借りて家賃を払ってくれる人はいない。地域特性や市場などをしっかり分析し、ニーズに合ったものを提供するようにしよう。
賃貸オーナーになるための初期費用
賃貸オーナーになるための初期費用は、物件によって大きな違いがある。マンションやアパートを1棟ごと購入したり、新築したりする場合には相当な資金が必要だ。ここでは不動産以外に必要な費用を述べておく。
1.購入仲介手数料
2.印紙税
3.登録免許税を含んだ登録費用
4.保険料
5.不動産取得税
そもそも所持している土地に賃貸住宅を建てた場合は、購入仲介手数料は必要ない。資金計画を立てる際には上記のような費用まで含めるようにしよう。
賃貸経営にかかる費用
賃貸経営にかかる費用の主たるものは管理会社への委託料だ。自主管理する場合は、点検や清掃、家賃回収など全ての業務を自分で行うことになる。管理会社への費用は家賃収入の3%から5%程度だ。
賃貸オーナーとして初期の場合は自主管理でも問題ないかもしれないが、件数が増えてくると物理的に無理が生じてくるので、管理会社へ委託することも計画段階から視野に入れておこう。
心得5:成功する不動産投資・賃貸経営のポイント
不動産投資を成功させる賃貸経営のポイントは多種多様だ。理由は、物件の種類によってポイントが異なってくるからだ。
しかし、どのような不動産であっても共通している賃貸経営の重要なポイント3点を解説する。
賃貸オーナーなら実質利回りに注視する
賃貸物件の利回りは、表面利回りと実質利回りがある。表面利回りは年間の家賃収入を投資額で割ったものだ。不動産会社の広告にはこの数字が用いられる傾向になっている。
対して実質利回りは、年間の家賃収入から年間にかかる経費を差し引き、物件購入費と諸経費を足した金額で割った数値だ。賃貸オーナーは、この実質利回りに注視して物件を選んだり、事業計画を建てたりすることが重要だ。
家賃が下がる前提で計画を立てる
企業などを経営していて事業計画を立てる際には、市場動向などを見据えながら売上げを上げるために計画を練っていく。
しかし、賃貸オーナーが事業計画や資金計画を立てる際には、家賃収入が低下していくことが前提となる。家賃収入が低下する理由は、経年劣化や周辺環境の変化だ。
1つの物件で家賃収入が年々増えるということは稀なことだ。家賃収入が低下する前提で立てた計画であれば、余裕を持った賃貸経営が可能だ。
トラブル対応ができる管理会社を選ぶ
住民同士のトラブルや借主からのクレーム、家賃滞納問題などに労力や時間を割かれると経営に影響を及ぼす可能性がある。
こういったトラブルを回避するためにも、管理会社はしっかりとトラブル対応ができる業者を選ぶようにしよう。ことあるごとに、賃貸オーナーに相談してくるような業者であれば、何のために料金を払っているのかわからなくなる。
トラブル対応ができる管理会社であれば、種々の煩わしさから解放されて経営に専念できるだろう。
心得6:税金は正当に納める
賃貸オーナーとして不動産所得を得れば、正当に税金を納めなければならない。
正しい納税も賃貸オーナーの心得だ。税法をよく理解して節税することは大切だが、納税を惜しんで虚偽申告したり、脱税したりすると罪に問われる恐れもある。
賃貸オーナーが納める税金
賃貸オーナーとして不動産所得を得た場合の税金は所得税と住民税になる。税額は以下の計算式にて算出可能だ。
所得税額=(総収入金額-必要経費)×税率
住民税=(総収入金額-必要経費)×10%+4000円
確定申告が苦手な方や、物件数が多い方は税理士や公認会計士と顧問契約すれば面倒な申告は全てプロが処理してくれる。
中には、経営のアドバイスまでしてくれる納税のプロもいるので、試してみる価値はあるかもしれない。
滞納も脱税もすべて自分に返ってくることを知る
空室率が高かったり、家賃滞納トラブルが多かったりすると納めるべき税金を納められない場合がある。故意による税金の滞納は許されない。
しかし、経営する上で仕方のなく納税できない場合は、税務署に相談すると良い方向性を導き出せるかもしれない。
脱税は、違法行為だ。バレないからと言って脱税が常習してしまうと、取り返しのつかない罰則を与えられる恐れがある。悪質なものは刑事告発される可能性もあるので、正当に納税するよう心がけよう。
心得7:不動産投資は健全な経営をこころがける
金融緩和が長く続けば、市場にお金が余っている状態になるので、金融機関は融資の審査が甘くなったり、貸出を増やしたりする。要するに、資金を調達しやすくなるのだ。
金利も低いので、ついついレバレッジを効かせすぎて、過剰融資を受けることになりやすくなる。金融機関から融資を受けるような誘いがあるかもしれない。
しかし、油断は禁物だ。事業計画からはみ出た融資を受けた後で、金融引き締めや周辺環境の変化などがあれば、たちまち返済に困ることになる。
賃貸オーナーとして重要な心得は、身の丈にあった経営を心がけることだ。綿密な事業計画や資金計画を立てて成功を勝ち取ろう。