トラブルのある共有持分の不動産物件の売却or解消方法を解説

トラブルのある共有持分の不動産物件の売却or解消方法を解説

親から相続した土地や不動産物件を共同名義にすることは多いが、兄弟や親族が相手でも運用方針で揉めるケースは少なくない。

トラブルに発展してしまった共有持分は運用が難しいため、売却や共有解消を検討する方も多いだろう。

今回の記事では共有持分の具体的な売却方法、話し合いが難しい場合の共有解消方法などを解説する。

 

共有持分とは

一つの不動産を複数人で共有する際の、所有権の割合のことを共有持分と呼ぶ。

例えば親から相続した土地を兄弟で半分ずつ共有とする場合、共有持分は50%となる。

共有持分はあくまで所有権の割合であり、単純に土地を使える面積に換算できない点は注意が必要だ。

仮に50%の共有持分でも兄弟それぞれが土地全体を使えるため、トラブルの原因になることが多い。

 

共有持分権の内容

共有持分に伴って発生する権利のことを共有持分権と呼び、それぞれの共有者が互いの権利を制限しあっている状態になる。

共有持分権の内容は次の3つで、重大な判断であるほど厳しい制限がかけられている。

変更・処分行為 共有者全員の同意が必要
管理行為 共有者の持分価格の過半数が必要
保存行為 共有者単独で判断可能

売却や増築などの変更・処分行為は、共有者全員の同意が必要だ。使用方法の決定や短期賃貸借契約の締結などの管理行為は、持分価格過半数の同意者から同意を得ないといけない。

自己所有の不動産と比べると制限が多く、共有者どうして運用方針を巡ってトラブルになることも多い。

 

共有持分の決め方

共有持分は相続の場合・共同購入の場合それぞれで一定のルールに則って決める必要がある。

相続の場合は民法に定められた法定相続分によって共有持分を決められる。ただし相続人全員の同意があれば、自由に共有持分の割合を決めることも可能だ。

共同購入のケースでは出資額の割合に応じて共有持分を決める。3,000万円の不動産物件に対し1,000万円を出資したなら、共有持分は1/3になるということだ。出資額と共有持分割合にずれがあると差額が贈与とみなされ、贈与税がかかる可能性があるため注意してほしい。

 

共有持分の不動産を売却する方法

 

共有者に売却する

他の共有者に自分の持分を売却するのは、双方にとってメリットが大きい方法だ。

第三者に売却交渉する手間が省けるし、買い取る共有者も不動産物件を単独所有することができる。共有者が対象物件に居住していて、関係性が良好なら、積極的に話を持ちかけてみる価値はあるだろう。

ただし共有者が兄弟や親戚など身近な方でも、相場より安く譲ると贈与とみなされる可能性がある。買い取る共有者に多額の贈与税が課税されてしまう恐れがあるため、親しい関係の共有者でも相場に近い価格で売却するのが良いだろう。

 

分筆してから売却する

共有持分の不動産が土地の場合、持ち分割合に応じて分筆し、分筆後の土地を各自の単独所有にしてから売却するのも一つの方法だ。

分筆後なら第三者に売却してもほかの共有者に迷惑が掛からず、お互い自由に物件を扱うことができる。

ただしある程度広い土地でないと、分筆後の売却が難しくなる可能性は高い。また設置する道路の向きや日当たりなど、場所によって土地の価値が異なるため、単純に共有割合で分割するのが難しいことも多い。

 

全員分まとめて売却する

共有者が誰も不動産物件の所有・運用を望んでいないなら、全員分をまとめて売却する方法もある。

全員の同意があれば手続きがスムーズに進みやすく、広い土地や物件丸ごとの方が用途は広がるため売却にも有利だろう。通常の売却手段をとれるため、物件の価値が下がりにくいのも大きなメリットだ。

売却益を共有持分に応じて分配できるため、共有者間でトラブルが起きる可能性も少ない。

1人でも反対の方がいると使えないため若干ハードルは高いが、メリットが大きいため積極的に検討したい方法の一つだ。

 

専門の買取業者に売却する

共有持分の土地や不動産は、共有者の同意が無くても単独売却することができる。

ただし制限の多い共有状態のまま売却するため、基本的には専門の買取業者に相談することになるだろう。ほかの共有者から見ると第三者に共有持分が渡ることになるため、関係性が悪くなる可能性は高い。

前述したほかの方法を選ぶことができず、どうしても共有持分を売却する必要性があるときの最終手段として考えたほうが良いだろう。

ポイント1

 

トラブルのある共有持分の解消方法

共有持分の不動産についてほかの共有者とどうしても折り合いがつかないとき、売却以外で解消する方法を2つ紹介する。

 

共有持分分割請求

共有持分分割請求は、裁判所を通じて共有状態解消の手続きを進める方法だ。

共有物分割請求の訴えを提起すれば、最終的には裁判所が共有状態解消のための判断下すため、共有状態を解消することが可能になる。

分割方法は裁判所が法律に則って決めるため、公平性も確保される。

具体的な分割方法は主に次の三通りだ。

1:現物分割

土地や不動産そのものを物理的に分割する方法。面積だけでなく土地の価値に応じて分筆し、それぞれの単独所有状態とする。

2:代金分割

共有不動産を競売にかけ、売却代金を共有者で分割する方法。現物分割が難しかったり、分筆によって不動産の価値が著しく減少したりする恐れがある場合採用される可能性がある。

3:価格賠償による分割

物件を分割せず一人の共有者に持分をまとめ、ほかの共有者に対しては金銭支払いによって生産する方法。

どのパターンも前述した売却方法と大枠は同じだが、裁判所が間に入ってことを進めてくれるのが共有持分分割請求の利点である。

ただし、裁判手続の負担や時間がかかる点はデメリットと言える。

また弁護士費用や不動産鑑定費用などは訴訟を起こす側の負担となるため、得られる利益が少ないと赤字になる可能性も考えられる。

共有持分分割請求のメリットがない場合は、次に説明する共有持分の放棄も検討するのが良いだろう。

 

共有持分の放棄

共有持分を所有し続けてもメリットが無く、売却や分割請求が難しい場合は放棄してしまうのも一つの手だ。

共有持分の放棄は、ほかの共有者の同意を得ることなくいつでも自由に行うことができる。放棄した持分はほかの共有者に帰属し、税制上贈与とみなされ相手方に贈与税が課税される可能性がある。

また所有権移転の登記はほかの共有者との共同申請となり、放棄を宣言しただけでは固定資産税の納付義務がなくならない点も注意が必要だ。

持分放棄による登記にほかの共有者の協力が得られない場合は、登記引取請求の訴訟を起こすことになる。

 

まとめ

共有者と方針が一致しない不動産物件は、所有し続けても税金や維持コストが掛かるだけなので、売却や共有解消を目指すべきだ。

売却方法によってメリット・デメリットがあるため、共有者の状況や希望に合わせて良い選択肢を選んでほしい。

また自分の持分を単独売却する方法や裁判を通じて共有解消する手段もあるが、できれば話し合いでの解決が望ましい。

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最終更新日 : 2020年4月20日
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